FAP療法とは

FAP療法について   https://insight-counseling.com/fap_method

 

FAP療法は大嶋信頼氏が開発した心理療法です。

 

潜在意識にアプローチする点では催眠療法と同じですが、FAP療法の優れた点は、通常のヒプノセラピーでは出てこない、さらに奥深くの潜在的記憶に、それを意識化することなく到達し、アプローチできることです。

記憶を氷山に例えるなら、氷山の下には、さらに巨大な氷山の塊がありますが、多くはそれらを思い出すことができません。ユングの言う集合的無意識が人にはありますので、セラピストもその集合的無意識に触れることで、それらの巨大な氷山の塊に触れることができます。

 

そのためにはセラピスト自身が、主観を捨て、あらゆる無駄なものを削ぎ落として、無になって、共に催眠状態になる必要があります。

 

しかし実際には、これには経験、鍛錬が必要で、職人レベルの域に近いと思われます。

 

FAP療法のスクリプトの凄さは、このセラピスト側の主観を削ぎ落とすということが技術的にできる組み立てになっている点です。

 

また大嶋先生の凄まじいほどの豊富な臨床経験の末に、確かなエビデンスとして、トラウマ治療には暴露療法的手法がやはり必要であり(ジュディス・ハーマンによるトラウマ治療の古典書「心的外傷と回復」にも書いていますが)、そのエッセンスも、FAP療法にはしっかりと含まれています。

 

これほど細部まで配慮された優れた治療法はないな、と私は確信しています。

 

現在のトラウマ治療のメジャーは、EMDRやTFTが主流で、まだ現場ではFAP療法はマニアックな治療法ではありますが、私はいずれ海外でも注目される治療法になるのでは‥と思いつつ、いや、でもあまりメジャーになってはほしくない‥という、なぜか複雑な気持ちでいます。

 

FAP療法を大嶋信頼先生と共に指導されている精神科医の米沢宏先生が「FAPは花屋の片隅にひっそりと咲いている、けれど確かに咲いている花のようでありたい」と語られているが、その心境がわかる気がしています。

 

私がノンフィクションとして上梓した「一条さゆりの真実」で書いた、伝説のストリッパー・一条さゆりさんのことを、かつて誰かが山寺の裏池に咲く蓮の話、と表現していたことがあります。山寺までお参りに行った者だけが、その美しいハスの花を見ることができる、と。だから、いくらこの蓮の花がキレイだからと言って、太陽が降り注ぐ他の花のある場所まで連れて来てはいけない、連れて来たら枯れてしまう。蓮の花は裏池の中でしか生きられない、それだからキレイなのだ、と。

そのような存在がFAP療法なのかもしれないと思っています。